「諸塚でやま学校しよう!」
第73回 2007年5月
 まちむら応縁倶楽部のエコツアー 
 時折小雨が降る中、急遽ご都合がつかなかった方も出て、今回はちょっと寂しいやま学校でした。

 やましぎの杜に着くと、ぱらぱらと小雨降る中でしたが、世話人の諸塚のお茶名人・橋本敬一さんに摘み方を教えてもらって作業を始めました。本当は雨降りにお茶を摘むと乾燥もしにくいので良いお茶を作るのは難しいのですが…。また、今年は3月に霜の被害を受け、お茶の生長はよくありませんでしたが、比較的生長の良いところを選びながらの茶摘みでした。ウグイスなどの野鳥のさえずりを聞きながら、1時間ほど摘みました。各人の茶摘みカゴの半分ほどで、大釜がある「したしぎ」に集まり、釜炒り作業にかかりました。 

 薪で暖めた釜に茶葉を入れると、ぱちぱちと焼けるような音がします。焦がさないように熱さに耐えながら、休み無くかき混ぜて乾燥させていきます。ここが一番油断できず、きついところです。茶葉にまんべんなく火が通り、色が変わったところで竹のむしろに移し、団子状にして丹念に揉みます。次に揉んで固まりになった茶葉をほぐしながら炭火で乾燥させます。葉が少し固くなったところで、本来なら再度大釜に移して仕上げ業なのですが、次の日にしました。

 夕飯までは少し時間がありましたので、ベテラン受講生Sさんの提案で竹の子掘りをしました。いつもなら猪が食べたおこぼれを人間が掘るのですが、今年は竹の子が豊作で人間も食べきれないほどです。(もちろん地主の許可を得て)掘って皮を剥いて、釜でゆがきました。

 会食には、観光協会長・黒木重人さんと、昔話の語り手・成松清則さんが参加しました。受講生Oさん夫妻が持ってきてくれた桜のシャンパンや地焼酎を飲みながら和やかに進み、一段落すると諸塚史談会の会員で、趣味も短歌や踊りと幅広い成松さんの「古老の昔話」です。最近研究している「ひょうすぼ」、いわゆるカッパの話や調査していることを聞きました。諸塚にも様々なカッパ伝説があること、独自に聞き取り調査したことなど大変興味深い話が聞けました。受講生からも、いろいろとんに質問が出て、自然の奥の深さに感じ入りました。

 2日目も小雨が降ったりやんだりでしたが、釜炒り茶の仕上げを行いました。昨日ある程度乾燥させたものを再度釜に入れて混ぜ、ゆっくり乾燥させていきました。橋本さんの熟練の手さばきに見入るばかりで、お手伝い程度の作業でした。量が少なかったので仕上げまでちゃんと出来ました。

 やましぎの杜を発って、途中でウッドピア諸塚の釜茶工場を見学しました。雨天のため工場は稼働していませんでしたが、担当の見原敬子さんに全自動化されている工場の中を説明してもらいました。手作業のお茶づくりの後なので、それぞれの工程をどのような機械が加工するのかなど、興味深く見学。最後に香りの良い新茶もごちそうになりました。

 釜茶工場見学の後は、家代地区金鶏寺で法話と座禅のご指導を住職の岩切正道住職にお願いしました。凛とした空気の中で、座禅は10分ちょっとの時間でしたが、初心者には十分な修行になりました。座禅の後は法話を聞き、読経を全員で行いました。その後は平成14年に新築されたお寺の内部を案内していただき、お茶などもごちそうになり、とても癒された気持ちでお寺を後にしました。

 昼食は、池の窪のハーブレストラン「まあ夢」で、ハーブカレーを食べました。最後に雨の中でしたが、家代の観音山で記念撮影。しいたけの館21で完成した釜茶を分けて解散しました。

 2日間雨模様でのやま学校でしたが、少人数でかえって大きな支障はなくスケジュールを進めることが出来たことは幸いでした。雨の中参加いただいた受講生の皆さんにも感謝したいと思います。ありがとうございました。

 
〜山の声〜世話人のつぶやき
   木村要之助さん  地球緑化センターボランティア          
 やま学校のツアーの受講生は、各体験で山の人々との交流を持ち良いものを学んだり新しい発見をしているようです。それと同時にやまの方もいろいろな発見をしているようで、そうしたお互いの"気づき"が諸塚のやま学校の魅力かもしれません。

平成19年5月5日(土)〜6日(日)実施  受講生6名

〜受講生のご感想〜
座禅は普段経験できない非日常の時間を楽しめました。
初体験ばかりで知り得た諸塚の暮らしや文化は宝物になりました。
古民家の暮らしの心地よさ、時を忘れました。
トイレお風呂がきれいに(整備)されており気持ちよく利用できました。
五右衛門風呂に入れて最高!

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諸塚村企画課 しいたけの館21
TEL 0982-65-0178