先日は、刺激的なお話しをありがとうございました。3日間にわたり諸塚村の役場や住民の方に貴重な時間を提供いただきお話しを伺ったことに関する感想をお送りします。
・自治公民館と役場行政や議会との相互関係やあり方について、民主主義や機能・役割の点で、改めて考え方を整理する必要性を認識しました。
現代の先進諸国は行政国家・職能国家の性質をもっているので、国や地方自治における行政(役場)は複雑で専門的な情報を「独占」する傾向があるため、住民や議会に対して優越した立場にあると言われています。その行政を統制・コントロールして住民の生活や福祉を向上させる方向で政策を決定・実施することはなかなか困難である面があります。教科書的に、絶大な権力や影響力をもつ行政を適切に統制する役割は議会にあるというのは正論ですが、それだけでは不十分で複合的であることが求められているようです。そうすると、市町村の政策決定や政策実施においては、諸塚村の自治公民館のような制度は議会に加えて重要な役割・機能を担うことが期待されている。さらに諸塚
志伝会のような(公民館などの)地域・エリアを超えた横断的・機能的組織やNPOなどの役割・機能も期待されている。市町村政府(自治体)の政策決定・政策実施においては、行政・議会・NPO(的組織)・地域自治組織の相互作用や役割・機能のどれが欠けても充分でないのではないか、といったことを再度ばくっと考えました。
その中身の考察はこれからですが。
・行政の職員(とくに専門職職員、1級建築士はもちろん、保健師、公立学校の教師など)でもあり、同時に地域に生活する住民でもある公務員は、地域づくり・まちづくり政策(保健福祉も含む)において、行政と住民・地域との間・結節点で重要な役割・機能を担うことが求められているし担わなければならない存在であるということを再認識しました。
・自治公民館も機能的組織・NPOもいずれにおいても、その参加者は、まずしっかりと学習しなければならないし、噛み合った建設的な議論・討論をし、その上で実行することが求められていることも再確認しました。その点でも自治公民館のシステムや伝統・蓄積はすばらしい「社会資源」であると思いました。
・その「社会資源」である自治公民館のシステムを地域住民の中に維持・蓄積し発展させる上で、なによりも地場の文化・伝統(神楽)とスポーツの果たす役割が大切であるように思いました。
100年近く「門外不出」の「園の露」は美味しかったです。またお伺いする機会があれば、「園の露」としいたけのバター焼きと牛肉を飲食しながら、もっと議論ができれば幸いです。それでは、また。
水谷利亮(高知短期大) |