立岩小学校閉校

 「97年の歴史に幕」
〜立岩小学校閉校

 平成18年3月25日、立岩小学校97年の歴史を閉じる閉校式が立岩小学校体育館で行われました。

 かつて勤務された先生方、たくさんの卒業生そして立岩公民館の方々。小学校の思い出を胸に詰めた方々が一同に会しました。

 式典は2部構成となり、第一部は教育委員会が主催で、教育長から、閉校にいたるまで保護者と教育委員会が検討を重ね、子供のことを第一に考え苦渋の決断に至ったことなど経緯報告があり、成崎村長、最後の校長となった本田校長先生や、東臼杵事務所長、黒木村議会議長から挨拶が行われました。

 PTA会長の藤田さんの挨拶では、立岩にとって1校区1公民館という特異性が一つの誇りであり、地区のまとまりを創っていた事へ思いをはせながらも閉校という道をたどらざるをえなかった辛さや、小学校が創った伝統を守り継がなければならない未来への思いが語られました。

 第1部の締めくくりは校歌の斉唱で、みんなで力強く唄いました。 

立岩小学校の歴史 PTA会長あいさつ
 
立岩小学校記念誌を発刊しました。余部がございますのでご希望があれば、無料でお分けします。一冊につき290円の送料のみご負担ください。

 ご希望の方は、290円切手と住所をご記入いただいた角2型封筒を同封の上で下記住所にご送付ください。

立岩小学校・幼稚園閉校閉園記念誌 編集委員代表 藤田三徳
〒883-1402 宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七ツ山6280番地
メールアドレス mitunori@mnet.ne.jp

閉校にあたって記念碑が建てられました。「希望」と書かれています。校歌の3番の歌詞からの引用であると共に、今まで培われた協調と融和の精神が引き継がれ希望の光を失われないようにという願いが込められています。

 記念碑の横には最後の在校生や住民の想い出を詰めたタイムカプセルが埋められました。10年後に掘り起こされる予定です。
第2部は地元主催の「別れの集い」で、昔の校舎や生徒達の写真やビデオの上映、出席できなかった先生などから届いたメッセージの披露が行われました。

 懇親会では先生方や同窓生との久しぶりの再会に、お互いを確認し合い、昔話や近況を伝え合って、話が尽きることはないようでした。
考えてみると、大きな同窓会といった感じで、何かきっかけがなければ行われることのない集まりなのだなとしみじみと感じました。そして、このような集まりも最初で最後なのだなという少し寂しい思いがしました。

 かつての恩師が、お年を召されたのを目の当たりにし、年月の流れを感じ、また当時の毅然とした姿そのままに、目の前におられる恩師に感動もしました。大人になってすっかり忘れていましたが、今の自分の原形がそこで創られていることに気づかされ、いかに小学校という存在が人を創る中で重要な位置を占めているかを考えさせられます。

 最後の生徒数は8名、うち3名は中学校に上がり、(存続していれば)2名が幼稚園から入学する予定でした。

 今までに、一番少ない時期は今より少ない全校児童4名ということがありましたのでまだ児童はいた方です。でもその当時は、まだ幼児がいて、また増える見通しがありました。現在、子供が増える見込もなく、残念ながら小学校の合併問題が起こるのは時間の問題でした。

 日本中の農山村の過疎が進行する中、山間の1小学校が閉校することは今や珍しいことではありませんが、その地区に住む人々にとっては、心の支えを一つ失うような寂しさと不安を感じます。しかし、記念碑の「希望」の文字を胸に、今までどおり子ども達を見守り、交流の機会を設けたいと、地元の皆さんは希望しているようです。


 NEWSへ戻る



諸塚村企画課 しいたけの館21
TEL 0982-65-0178