特定非営利活動法人 九州森林ネットワーク
NPO Corporasion Kyusyu Forest Network 

九州森林フォーラム報告
 

第3回九州森林フォーラム

「森林資源の有効活用
〜山と街をつなぐ手法」

 「第3回九州森林フォーラム」は、「森林資源の有効活用〜山と街をつなぐ手法」をテーマに、諸塚村で開催されました。

 このフォーラムは、「NPO法人 九州森林ネットワーク」の設立と、諸塚村(諸塚村森林認証研究会)が村ぐるみで「FSC(森林管理協議会)の森林認証」を取得したことを記念して開催されたものです。

 不便な山村での開催でしたが、九州だけではなく、大学の研究調査もかねて遠くは北海道や岩手からも参加されるなど、延べ104名の参加者があり、大成功でした。

                  参加者のコメント集

○ NPO法人 九州森林ネットワーク
理事長 佐藤宣子(九州大学大学院農学研究院)氏
九州の山々と町とが協力し合い、木材の適正な流通と活用によって、九州の森林が、水源のかん養、空気の浄化、国土の保全といった多益的な機能を高め、さらに、そこから生まれた森林資源を有効に活用し、木の文化を後世に残すことを目的として、昨年10月に設立されました。

○ 諸塚村森林認証研究会
諸塚村助役を長に森林認証に関する調査や勉強を行っています。諸塚村では、村ぐるみの取り組みで、平成16年10月8日付けで10,527.23haの森林がFSCの森林認証を取得しました。さらに、耳川広域森林組合諸塚支所木材加工センターにおいても、FSCの加工・流通部門の森林認証を取得しており、「認証材」「認証製品」の生産・販売への展開が期待されます。

■バイオマスフォーラム
 「諸塚村バイオマス検討会」の共催で、木質バイオマスについて、UFJ総研の牧大介氏の講演がありました。木質バイオマスエネルギーを取り巻く現況報告がなされ、さらに森林認証とバイオマスエネルギーの組み合わせの可能性などに関する講話が行なわれました。
■FSC森林認証の取得について
 森林認証制度は、健全で適正な管理をされた森林を第三者が認証し、そこから生産される木材等森林資源を、認証ラベル(エコマーク)をつけることで、ユーザーが積極的に活用し、みんなで地球環境を守ろうとするものです。

 今回、諸塚村では村ぐるみのグループ認証を取得しましたが、その取得の背景や審査時の状況、今後の可能性や課題などについて、諸塚村森林認証研究会事務局佐藤より報告が行われました。

■現地研修
*耳川広域森林組合諸塚支所木材加工センター
 CoC認証(流通管理の認証)を取得した木材加工センターを見学し、加工・流通の内容について、黒木工場長より説明が行われました。

*産直住宅モデルハウスの見学
 諸塚の木材を利用した「産直住宅」のモデルハウスの見学を行いました。

*木材生産現場見学
 諸塚村産直住宅用材となる樹齢80年生スギ材の葉枯らし材生産現場を見学しました。

■記念講演
 宮崎県木材利用技術センター有馬孝禮所長をお招きして、「木材資源の活用策について−地球環境保全と居住環境」と題し、基調講演をしていただきました。木材生産における炭素貯蔵効果、資源の循環、地域木材資源利用の連携など、豊富な内容でのお話しとなりました。

 特に、木の特製を理解し、品質情報を開示することなど連携によって、木が「何年もつか」ではなく、「何年もたせるか」かを考えるべきであることなど、木材資源の有効活用への重要な指針をいただきました。

■事例発表
「地域の資源の生かし方」をテーマに3件の事例発表が行われました。
*「小国ポイント〜地域通貨の実験」 熊本県小国町木魂館 江藤訓重館長
 小国町のグリーンツーリズムで、ワーキングホリデーと地域通貨「小国ポイント」の組み合わせで、都市と林業がうまく連携する実験の状況報告がありました。

*「持続可能な木材の供給とトレーサビリティー」
           大分県上津江村潟gライウッド原田公成氏
 津江杉としてのブランド化に関する、トレーサビリティーの取り組み内容などについての発表が行われました。

*「林間放牧牛〜山林資源で健康牛」 諸塚村産業課甲斐光治氏
 諸塚村におけるこれまでの林内放牧の取り組み状況と、林蓄複合システムとしての育林放牧の効果や課題等について発表が行われました。

 ◆お問い合わせ◆
宮崎県諸塚村企画課 しいたけの館21内
諸塚森林認証研究会事務局
&NPO九州ネットワーク 諸塚オフィス
TEL 0982−65−0178
FAX 0982−65−0189


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