特定非営利活動法人 九州森林ネットワーク
NPO Corporasion Kyusyu Forest Network 

九州森林フォーラム報告

参加者のコメント

 九州森林フォーラムで、初めて古民家に泊まりました。“古”民家といっても、あんな作りの家は初めてで新鮮でした。

 昔からの建物や文化は、それらに触れたことのない人にとっては目新しいものですね。SFC認証などの“本当に新しいもの”と、“古くて新しいもの”の両方を生かす諸塚村は
魅力的だと思いました。新しい発見をしに、諸塚村にまた行きますので(何時間もかかるけど!)よろしくお願いします。

丸山沙織(九州森林ネットワーク事務局 潟gライウッド)

 第三回森林フォーラム(in諸塚)の参加者、講演者の皆さん、そして準備をして頂いた諸塚村森林認証研究会の皆さん、大変お世話になりました。おかげさまで、九州森林ネットワークの設立記念のフォーラムとして、とても有意義なものになりました。私は、次の3つがとても印象的でした。

 一つは、諸塚村が九州で初めてFSCの森林認証を得たことの意義です。森林認証は資源的・生態的・社会的に持続的な管理がなされている森林を第三者機関が認証し、産出された木材にラベリングをして消費者が選択しうる制度です。諸塚村内での森林環境保全意識の高まりと認証材の販売など、今後の諸塚村の地域戦略のツールとして大きな意義と可能性があると思いました。森林認証制度は世界的には90年代後半から、日本では2000年の速水林業取得以降、広がってきました。そうした中で九州で取得事業体がでてきたことは、取得した地域だけへの効果に留まらず、九州全体への適切な森林管理に対する意識向上という点で波及効果もあるのではないか、あるいは当ネットワークの活動にも活かせるように、受け止めたいと思います。その点、諸塚村での取得についてオープンに語って頂き、感謝申し上げます。

 二つ目は、有馬先生の講演ででてきた、「そこそこの」(過剰な要求をしないという意味で)十分満足できる家をきちんと造るために求められると指摘された事項です。木のことを知り、価格も含めて関係者が情報を公開・共有して、山が成り立つような仕組み造りについて指摘されました。ネットワークの会員には、山の関係者から流通・建築関係の方々がいらっしゃいますので、取り組めるし、そのためには今後、少し詰めた議論が必要です。次回のフォーラム(長崎で本年10月頃開催予定)では、この点を意識した企画にしたいです。

 三つ目は、懇親会がとても盛り上がったことです。諸塚村の方々の心暖まるおもてなし、フレンドリーな参加者のトークに加えて、村田さん演奏のケーナの音が山里の雰囲気と参加者皆さんの心意気にとてもマッチしていて、宴が盛り上がりました。来年は村田さんと合奏できるように・・乞うご期待!

佐藤宣子(九州森林ネットワーク理事長 九州大学)

 九州森林ネットワークの皆様、また森林フォーラムの関係者の皆様お疲れ様でした。
当方にとっては、大変有意義な講演会・実例報告で多くの刺激を受けました。特に、諸塚村の森林認証の考え方や実行力には大変感動しました。

 森林認証については、誰もが考えつくことではありますが、それを実行に移すことはなかなか難しいことです。ですが、今回の集いをキッカケとして、諸塚村の実行力を見習いながら、ぜひ自分の暮らしている地域にも実践したいと考えています。

 また、有馬先生のお話には、環境論も森林論も建築技術論もすべて、互いの共通言語をもった上で議論することの大切さを、再認識しました。

三浦逸朗(九州森林ネットワーク理事 ミウラクワノパートナーシップ代表)

 ここ数年の環境をめぐる状況が、都市生活者にとって非常に流動的で見えにくい。森林を例に取れば、それがうまく説明できるはずで、是非山側から山の言葉で発信していただきたい。

西村敏彦(九州森林ネットワーク理事)

 今回、集落にお邪魔させて頂き、また神楽の練習風景も拝見させて頂き、皆さん元気で明るく、地域活性化が人の活性化であることを深く考えさせられました。今度は家族でお邪魔して神楽の本番も見てみたいと思いました。

齋藤和彦(森林総合研究所)

 横浜育ちでそのままムラ組織のない北海道に行ってしまったため、なかなか理解できずにいました。しかし、今回集落までお邪魔して皆さんのお話をうかがい、改めて様々な集落組織の人のつながりの大切さというものを実感することができました。自治やローカルガバナンス等は市民運動とセットとして捉えがちですが、それが偏った見方であることを認識させられたように思います。また何よりも、安心できる人のつながりの中でそれぞれに役割を持って暮らしていけるということの大事さを感じました。

 森林認証という最も先端的な取り組みが、集落を基礎として可能となったということが特に私には驚きでした。これまでのFSC森林認証ははどちらかというと意識ある市民の自発性に依拠しているというイメージがありました。しかし、本当に森林認証を広げ力強い活動にしていくために集落の人のつながりが重要であることを認識し、ここからFSC森林認証の新しい可能性が生まれてくるのではとも思いました。他のFSC取得されたところで、きちんとした集落組織がないため、なかなかひざを交えた議論ができず、広がりをもてないと述懐されていたことが改めて思い浮かびます。

 また北海道の地域活性化は多くの場合Iターン者が重要な役割を果たしており、それが新たな視点による展開を可能とさせる一方で、様々な軋轢を呼び起こすことがしばしばあります。諸塚は地域で生まれ育った人が、そのまま、あるいはUターンして地域づくりに関わっていること、そうした人のつながりの中で創意工夫が生まれ、それをみんなで取り組んでいけるということも驚きでした。

 山村=「保守的」と考えがちでしたが、条件が厳しいがゆえに実は最も革新的な面をもっているのだということを認識させられました。

柿澤宏昭 (北海道大)

 森林フォーラムに参加し、そのあとも引き続き諸塚の各地を見せていただきました。本当に得るものが多い滞在でした。わたしがこれまで見てきた山村に対して、諸塚の元気さには衝撃を受けました。山村や林業の関係者にお話を伺うと、だいたいどこでも最後は愚痴になります。諸塚では、ほとんど愚痴らしきものを聞きませんでした。これは本当にすごいことだと思います。どうしてこうなのか、もう一度よく考えてみたいと思っています。

1)南川の集落での神楽練習見学。こんなにもたくさんの若者が参加して、年配者から全員が熱く練習をしているとは!そのとき聞いた「神楽を通じてこそ、息子は父親を絶対的に尊敬できる」ということ、また「神楽をやっていなかった父親が、息子とのコミュニケーションを求めて神楽を始めた」という話に、神楽の効用がよく表れていたと思う。

2)シイタケ専業農家・Nさんのお話。FSCは、始めはよく分からなかったが、最近理解できるようになった。中国シイタケ問題の際、日本産ということを証明できなくて苦しんだ。スギでも同じことが起きうる。認証で産地を明確にすべきだと思った。これがなかったら、おそらくFSCには動かなかった。(これは本来は産地認証の話かも知れないが、こういう受容のあり方もあるのだと感心した)

3)公民館長の全村協議会の会長は、村長と同じぐらい偉いと事も無げに言われたこと。公民館というものが分かったようで分からなかったのだが、これでわかった。

4)山腹に転々と小さな集落がある風景。この村の伝統といまのがんばりが視覚的によく分かる。」

土屋俊幸(東京農工大学)



 ◆お問い合わせ◆
宮崎県諸塚村企画課 しいたけの館21内
諸塚森林認証研究会事務局
&NPO九州ネットワーク 諸塚オフィス
TEL 0982−65−0178
FAX 0982−65−0189