受賞理由
林業経営の近代化・合理化により経営と技術の改善を図り、その安定的向上と産業的発展を図ると共に、合わせて地域の活性化に寄与したことによる
1. 概 況
(1)
森林の所在地:宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七ツ山字高崎の塚7721
(2)
土地の面積:山林20.81ha(うち用材林15.81ha)。
(3) 森林の齢級構成
区 分 T−U齢級 V−Y齢級 X−Y齢級 Z−[齢級
\齢級以上 計
ス ギ 8.04 2.21 3.38 13.63
ヒノキ 0.20 1.25 1.45
その他広葉樹 0.80 4.93 5.73
計 8.84 2.41 4.63 4.93 20.81
スギ、ヒノキの人工林が72%を占めるが、そのすべて[齢級以下の除・間伐期の育成過程にある。
(4) 家族構成:(本人夫婦、長男)
(5) 生産基盤・施設の整備状況
機械:動力枝打機ほか。
(6) 林業就業状況
自家労働:1名、延べ180人日。
(7) 過去5カ年の林業生産実績
造林:0.2ha、除間伐・枝打ち:10ha、素材生産(間伐):250 立方メートル。
(8) 経営収支
林業経営に要する経費は自己資金で調達。
(9) 計画と記録
団地共同施業計画、作業日誌。
2. 経営の特徴
(1) 山林の経営目標と施業方法
将来的目標としては、長伐期施業及び複層林化を目指している。根曲がりを防止するため、植栽は4,000本/ha以上の密植で上下の間隔を広く、左右を狭くしている。下刈、除間伐、枝打ち等の保育作業は集約的に実施し、枝打ち時には打ち枝の巻き込みほ促進するため施肥を実施している。
(2) 管理経営
1)
山林の経営管理は、現在本人1人で実施しているが、将来は長男(現在財団法人ウッドピア諸塚勤務、29歳)が経営を承認する予定。
2)
枝打ちは動力枝打機の活用により枝下13〜14mまで実施するなど徹底した保育管理を実施している。
3)
所有山林全てが水源涵養保安林に指定されているため、その機能の発揮や環境保全に配慮した施業を実施している。
3. 地域林業振興に対する貢献並びに波及効果
甲斐氏の所有山林は、約21haと小規模であり、またスギを主体とする人工林の殆どは除間伐を要する育成途上の林分であるが、長伐期複層林の造成による大径優良材の生産に向けて、枝打ちをはじめとする保育作業に創意工夫を凝らすなど集約的な施業を実施してきている。その集約的な施業は、間伐実施林分が間伐展示林として提供されるなど地域の一般林家の模範とされている。
また、氏は自己山林の経営管理に勤しむ傍らで、諸塚村村議会議員(昭和54年から22年6期目)・建設常任委員会委員として、村農林業の振興に尽力してきている。
4. その他
表彰暦
:平成5年度宮崎県育林コンクール最優秀賞(除間伐の部)
平成6年度宮崎県育林コンクール優秀賞(除間伐の部)
平成9年度県知事賞(林業経営部門)
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