森林認証制度研究会
A Reserch Society
for Forest Certification Systems

「人に優しいスギの木工品コンテスト」
諸塚村観光協会人に優しいスギの木工品コンテスト
審査結果
 FSC取得記念事業として、スギ、ヒノキを使った身近な木工品の普及を図るためのコンテストを実施しました。
最優秀賞 「結杉(ゆいさん)」   一田達雄(熊本県阿蘇町)
多目的な板畳 (半畳サイズ)

サイズ:持運びに便利な半畳サイズ、厚さは畳に合わせる。(わが家は45mm)
軽量にするため、両面は15mmの杉板を、桟の両面に貼って使用する。
座卓天板面の高さ(400mm前後)に合わせ、脚の高さを決める。
<特徴・使い方>
・畳と組み合わせ、杉の香りと優しい足触りが楽しめる。
(畳の代りに全面に敷くと、たちまちに森林認証の板の間が出現する。)
・来客用に板畳を裏返し、端材利用の置台を脚として組み合せ、座卓とする。
(好みに応じて、テーブルクロスなどをあしらえば、雰囲気が変わる。)
・置台(足)は、いつもは腰掛、花台、スーピーカー台などとして使う。
・人数、目的に応じ、単体、2連、3連の座卓に変化し、希望すればどこまでも延長可能。
・何よりも場所をとらない。小さな家屋で空間を有効に利用できる。
・ベット(収納ユニット木箱と組み合わせ)など、使い方は工夫次第で多様。

優秀賞 「おもちゃ(かまきり)」 黒木義和(日向市)
佳作 「木稟(きりん)」    児玉香子(和歌山県美山村)
「ワインサーバー」小椋清市(熊本県西原村)

★審査委員構成
審査委員長:観光協会長
審査委員:諸塚村長、諸塚村森林認証研究会役員、
      宮崎県工業技術センター鳥田和彦氏
合計 11名

★審査の方法
@審査手順:各作品は、審査中はすべて匿名とする。展示している作品を採点表に沿って全審査委員11名が、各自独自に審査し、その後、その採点を事務局で集計し、採点結果を基に全員による審議を行い、上位点数の作品の中から入賞作品を決定。
A審査委員持ち点:○5点△3点×0点の3段階とする。
B採点基準:高級木工品ではなく、村産材のスギ、ヒノキを材料とした身近に扱える作品であること、そして実際普及する可能性があること。スケッチの場合実現可能な物であること。

★採点講評  (事務局)         
 FSC森林認証取得を記念して、初めての試みとして、村外も含めたスギをつかった身近な木工品のコンテストを実施しました。これまでの技術面を重視したプロフェッショナルなコンテストと明確に区別し、木を身近なものにするために、一般の方やアマチュア木工愛好家のアイデアを活かし、日常的にもっと木が使われるようという趣旨で行われました。
あまり広報は出来なかったところですが、村内はもとより、遠く県外や九州外からも作品の応募があり、しかもレベルの高い作品が多かったのに驚きました。スケッチ作品も多く出され、応募者の「こんなもので木を身近に」という思いの伝わる良い作品が多かったようです。
厳正な審査の結果、熊本県阿蘇町一田達雄様の「ゆいさん」が最優秀作品に選ばれました。板で畳形式の床をつくり、生活のリズムに合わせてテーブル等にも使うというアイデア作品で、審査時点では写真と説明書のみの応募でしたが、最高点で満場一致の選考となりました。実際諸塚村産直住宅に使われているものです。
優秀賞は、日向市黒木義和様の「木のおもちゃ」のうち「カマキリ」でした。木のおもちゃへ数の多さもさることながら、オリジナルな作品という点で、「カマキリ」のみの選定でした。
同じ子供向け商品ということで、和歌山県美山村児玉香子様の「木稟」も、実現性という点から技術的に改良を加えればという条件は付きますが、非常に高い評価で佳作となりました。
もう一つの佳作、熊本市の小椋清市様の「ワイン置き」は、グラス掛の部分のオリジナルティーを評価した上で、実用性と普及性は高いという審査委員の声がありました。
入賞作品以外でも、技術的には高レベルですが、もう一歩アイデアがあればというものも多く、非常に審査が難しいところでした。
このコンテストも、継続していくことも検討すべきではないかという意見もありましたし、これをきっかけに、実際に普及する木工品を実際生産する体制を整備することも大事でしょう。
最後に、今回のコンテストが、多くの方々のご協力をいただき有意義なものになったことに感謝を申し上げ、審査総評とします。

 

◆表 彰 H16年11月21日(日)諸塚村文化祭会場で表彰

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