自立のむらづくり
諸塚村が東臼杵南部合併協議会から脱退するまでの経緯

1.研究会から任意協議会 (平成13年7月30日〜平成15年12月)

 当初合併問題を研究するにあたり、平成13年7月30日に、経済圏、生活圏をほぼ同一とする地域ということで、日向・東臼杵南部地域の1市2町5村の助役で構成する「日向東臼杵南部合併研究会」を設置しました。その中で、県が示した本地域に係る4つのパターンについて、合併を前提とせず客観的な情報を提供するための検討を重ねました。
 その後、国の強力な合併推進、合併特例法の期限逼迫等により、平成14年10月1日、諸塚村、椎葉村、西郷村、北郷村、南郷村の5村による任意協議会「東臼杵南部合併検討協議会」が設置されましたが、その段階で日向市、門川町、東郷町は諸事情により不参加でした。
 その後日向、門川、東郷で構成する任意協議会に大同合併の検討申し入れを行いましたが一体化には否定的で将来の検討課題という結論でした。
 任意協議会は平成15年7月29日まで10回開催されました。

 5村とも任意協議会の検討内容を元に、国・県の動向をふまえて、民意を諮るために合併問題の住民説明会を開催しました。諸塚村では平成15年6月から9月にかけて、全公民館で行い、いずれも70%を超す世帯の参加がありました。

 説明会での住民の皆様の反応は、合併する事への心配が強く、一部賛成意見も聞かれましたが、大方が合併に消極的でした。

2.法定協議会 (平成15年12月25日〜平成16年11月)

 住民説明会の中で、任意協議会段階の資料では判断材料に乏しく、自立の場合はどうなるのか、対比する資料の提示や説明を求める意見が多く出されました。

 このようなことから住民と一体となり自主的主体的に判断することが重要と考え、より詳細な情報を提供し、議論を深めることが必要と判断し、合併の是非を含め、具体的、現実的に検討する場として「法定協議会」に参加しました。しかし、この時点で椎葉村が参加しない旨の表明をしました。これにより諸塚村、西郷村、北郷村、南郷村の4村の枠組みで、議会の議決を経て「東臼杵南部合併協議会」が平成15年12月25日に設置されました。

 平成16年1月から協議会総会が開催され、基本的には任意協議会の時と同様、各種事務事業の調整に加え、@合併の期日、A新自治体の名称、B新自治体の事務所の位置、C合併方式、D新市町村建設計画等重要事項の5項目を新たに審議しました。

3.法定協議会を踏まえた住民説明会 (平成16年9月〜10月)

 このような経過の中、早めの住民説明会開催の要望が強かったため、協議会で9割以上の協議調整が終了した段階で、並行して検討してきた自立した場合の資料を添えて、9月8日から10月5日まで、村議会議員、合併協議会委員の全員出席の元、16の自治公民館で住民説明会を開催し、延べ557名、世帯あたりで70%を超す参加がありました。
 また、10月8日には自公連主催で、各公民館から3名の代表者が出席した意見交換会が開催されました。

 住民説明会での意見を集約しますと、今後の自治公民館組織、林業振興策の行方、行政サービスの低下等の懸念を含め自立を選ぶべきという意見が大多数でした。

 12日には自治公民館連絡協議会(自公連)主催による意見交換会の内容報告が、自公連の連協長からありましたが、その結果も、厳しい状況になることを覚悟した上でも自立を選択して欲しいとの意見が殆どであったということでした。

4.最終判断

 合併は自治体の自主的な判断によるものとされています。それはとりもなおさず住民の皆様の意思によるものです。この観点から、また議会及び協議会委員の皆様の意見を真摯に受け止め最終的に自立を選択する結論に至ったわけです。

 自立と合併の最終判断には、大変難しい問題で、しかも大きな責任が伴います。しかし、村民の総意で自立を選択した以上は、それを前向きにとらえて、今後はきめの細かい行政努力も然ることながら、議会や村民相互の協議と理解をはかり、諸塚村の大きな財産である相互扶助の精神を生かしながら、真に豊かな山村諸塚の創造を目標に一体となって進んでいきたいと思います。