諸塚の源流探検

川内川
Kawautigawa

源流へこんにちは(川内川)

 川内川は、黒岳と横尾峠の中腹に流れを発し、いたるところで流れを集め川内吐で七ツ山川と合流する。川内川は同じY字型の谷でも奥の深さ、切れ込みが急で川全体の傾斜角度がきついが嬉しいことに最も自然の森が残っている地域で随所に、昼なお暗いような感じのところがある。
 源流をたずねて川内林道逆上り沖滝の集落からおおよそ五キロメートルあたりに人工的に石を積み重ねたような岩の間から清冽を水が勢いよく湧き出ている。(仲滝は四〜五戸の集落であったが今は住む人ぞなく「故郷の廃家」の歌そのもので何んとも寂しい思いがする)
 11月27日、昨夜来の雨と風で砂利道にも大量の落葉を敷き詰めている。今、野も山も名残の秋に別れを告げ冬支度を急ぐなか、種の保存と拡大に必死のとりくみをしているものがある。それは人々からはあまり歓迎されないザシの仲間である。うっかり藪にはいろう衣服にべったりと付いてくる。ザシの仲間には在来外合わせて十種類ほどあるといわれ、大きくは種子の先端がカギ状になっていて引っかかるものと、ねばねばして網状のものでくっつくものの二つは大別できる。最も始末の悪いものが「油ザシ」でとにかく手でとろうとしても毛の部分が残りチクチク刺すので完全に乾燥を待つしかなく、これには箱根八里の半次郎ならずとも♪やだねったら、やだね♪であろう。ただザシにしてみれば動物や人にくっついてどこかに運んでもらいたいそのうちごく僅かなものが種を継ぐという自然の摂理なのでしょう。
 さて、冬になると夏には汚って見えなかった川底が見えるようになり一段と興味深い。大小の岩あり深い渕あり、流れのなすままに落葉の溜りもある。自然は常に人類に感動を与えるものをもっている。
 最初は子供の頃から自然に接する機会が少なく、自然に対する接し方や自然現象に関する知識が少なくなったのではないか、危機管理を自分達で行い自然に学ぶ基本的な精神や気象状況や河川の特性を学び自然との共生をどうすすめて行くかを常に考えておく必要がありそうだ。