諸塚の源流探検

与狩内川
Yokariutigawa

源流へこんにちは(与狩内川)

 与狩内川の源流は、桂川と合流する家の下の分流から林道をおおよそ五km程上ったところになる。伊友川と合流するところで見ると川の流れの量がほぼ同じところである。これは山の深さつまり集水面積が似ているということであろうか、又村内のほとんどの川が岩を咬む急流あり、滝あり、渕ありの急流が多いなかでこの与狩内も伊友川もその流れが穏やかなのが特長であろう。

 源の一体は杉の造林地であるが、流れに沿って帯状に雑木が残されているのには救われる思いである。小さな溜りにこの年種の保存の役目を果たしたアケビの殻が二個沈んでいる。中味はすでに小鳥達のエサになったものであろう。おそらくあの堅い黒い種子は鳥の糞に混じってどこかに播かれたに違いない。山を見渡せばすでに紅葉がはじまっている。一番先に彩を見せるのがヤマイモの黄やハゼ科のウルシが早い。特に崖にあるものが色鮮やかである。又緑の繁みのなかに見事な黄紅色に熟したカラスウリ(チョーチョーコベ)が一際存在感を示している。秋はかけ足でやって来る。高い山は低地への紅葉の移動は早い。ふり返れば、あのサンサンと照りつけていた真っ赤な太陽も十一月の声を聞けば心なしかやや黄色味を帯びてくるから不思議である。この季節を詠んだものであろうか″あかあかと日はつれなくも秋の風″というので中学校?の頃の教科書にあったようだ。

 さて、十一月は地域に伝わる伝統の秋祭りをはじめてそれぞれの地域での催事、紅葉狩をしながらの山登り疲れはてたところで飲む沢の水の冷たさ、うまさ更に峰を征して見る白い雲の流れを見る壮快さは格別水にまつわることをつけ加えれば静かな川面に映った紅葉も何んともオツなもんだと、ある写真マニアが云っとった。