諸塚の源流探検

小水流川
Kozurugawa

源流へこんにちは(小水流川)

 八月下旬県道諸塚高千穂線・小水流橋から眞弓岳林道を上がると、山あいからの風はもう冷さえ含んでいる。道沿いに咲く花もすでに秋の花クサギ・クズ・ハギ・オミナエシ、おまけに災害復旧跡には何故か月見草まで咲いて十五夜さんのお膳立てはできている。「クズ(ゴブリョウ)の花は普段あまり評価されない花ですが、つるの節々の葉のつけ根から房になって咲く花は良く見ると上品で決して「クズ」ではない。小水川は下長川の東部、眞弓岳の南部に源を発して西に流れ上長川の下方で柳原川に合流し尾水流ダムでしばらく休憩ののちそのほとんどは諸塚発電所へ向こうとなる。源流の地、眞弓岳は諸塚村大字家代の地番の始まるところで何故か源流との組み合わせがいい。源流の場所は六峰街道にほど近いところで標高950m位か?水は谷の詰め崩落石の推積の中から渾々と湧き出し透明で冷く清浄そのものである。

 小水流川は、「お牧のとどろ」の悲恋物語をはじめ、昔は背中に小さな松の木の生えた田んぼ近くに巣くったクマ蜂の群れの勢いがいたため、田んぼが日陰になって一粒の米も稔らなかったとかスケールの大きな話のある川でもある。さて、「水を飲むときは、井戸を掘った人のことを思え。」という中国の諺がある。私共が何気なく使っている水の有難さを忘れてはならないのでしょう。その水を育むその土地の気候・風土・地勢・生態系・殖生・更には土地の歴史など把握して自然の摂理に沿った環境を維持保全して行くために私共は努めなければならないのでしょう。