諸塚の源流探検

藤木谷
Fujikidani

源流へこんにちは(藤木谷)

 藤木谷は、荒谷・野々崎の東部に源を発し南西に流れ藤木を通って耳川に合流する。

 5月24日午後、ここは黒葛原とほぼ同じ標高であろうか?2日続きの雨で山全体がしっとりと水気を含んでいる。周囲は春の花から夏の花に変わろうとしているところで、ノイバラ、ウツギ、スイカズラの花が今は盛り。初夏のこの頃の山のようすを中国の有名な画家郭煕は!蒼翠にして滴るが如し!と詠んだとか納得である。ここから流れ出る藤木谷は何故か山全体から想像できないほどの急流である。清洌な水が両岸を咬んで走り、水はどこも踊ってはねているとろりと休息している水はない。ようやくにして藤木のあたりで穏やかな流れとなる。藤木谷の吐合いは諸塚の玄関口である荒谷橋に程近い途中の藤木は諸塚村では恵后先に次いでの広場?があることからいつの頃かは定ではないが、ダム構築による魚族の減少被害を補うため県営の養魚場が設置されたことがあるという。

 又、昭和34年〜50年迄、森産業の椎茸栽培試験地として椎茸産業振興のメッカとなったところであり、現在もなお村の菌床施設があり、産業振興の源流ともなっているところである。これとてやはり水があっての話なのである。

 さて、緑や水は生命力や希望の象徴といわれる!どこかでさわやかな谷の瀬音が聞こえてくる!そのうなし膳の環境を大切にし、そしてこれを将来に引継いで行くことが私達の責務ではなかろうか?山ふところから泌みでる清らかな流れを守り育て、そして川や水を充分に生かし、せせらぎに彩られた潤いと活力に充ちたふるさとを守って行きたいものです。