「諸塚でやま学校しよう!」
第86回 2008年11月
 まちむら応縁倶楽部のエコツアー 
 蕎麦打ちと手漉き和紙体験、そして大忘年会です。初日は、やましぎの杜に着くと、すでに世話人の甲斐光さんが、したしぎの庭にシートを敷き、飛散防止の戸板を立てかけて、そばの脱穀準備を済ませていました。まず、光さんから説明で、蕎麦は種をまいて75日目に口にすることができる、勝負の早い食べ物であることなど、昔の蕎麦作りの様子を話してくれました。やましぎの杜の蕎麦は、今年は実の入りが少ない上に、鹿の被害もあって、少量しかとれず、光さんの蕎麦も分けていただきました。

 まず、めぐり棒での「あやし方(脱穀)」に挑戦です。最初はあまり廻りませんでしたが、何回かするうちにうまくできるようになりました。次は実の選別作業。荒ごみをとり『唐箕』にかけて、蕎麦の実だけにしていきます。手箕を上手に使える受講生もおられました。
途中で、今年豊作だったゆずちぎりをしました。竹の道具を使って、高いところに実っている、形の良いゆずを一生懸命採りました。

 次は製粉ですが、石臼で挽くので、かなり根気のいる作業でした。何度も何度も石臼をまわして、何度も何度もふるいにかけてまた挽いて...ようやく蕎麦粉のできあがりです。

 いよいよ、十割蕎麦打ち。蕎麦粉は、400gのそば粉につき約180tの水を入れながらこねます。水加減がなかなか難しく、またこね方も力がいります。耳たぶくらいの固さになったら麺棒で伸ばし、そば切り包丁で切っていきます。こねて、伸ばして、切って、それぞれの思いがこもった蕎麦のできあがりです。

 夜は恒例の大忘年会。メニューは、受講生の手打ち蕎麦、鹿の竜田揚げ、旬の野菜サラダに加えて、光さんお薦めの昔ながらのとうきびシチュー、しいたけの天ぷら、炭火焼きのしいたけやピーマン。蕎麦のタレは、福岡からのNさんの差し入れの「アイガモの肉」を使ったものを、元京料理人のAさんが仕込んでいただき、大変好評でした。

 受講生や黒木重人観光協会長からも、たくさん差し入れをいただき、盛大な忘年会となりました。

 翌日は、手漉き和紙体験です。諸塚高千穂線沿いにある「諸塚和紙漉き屋」の工房に到着。手漉き和紙の世話人は、菊池始さんです。
まず、材料の説明を受け、和紙つくりの流れを見せてもらいました。寒い中、全てが手作業で、根気のいる作業という印象です。「こうぞ」の木の皮を砕いた原料を、ノリの役割をするトロロアオイを混ぜた水の入った「漉き船」に入れ、均等に混ぜます。それを竹で編んだ紙漉道具(手漉き用きっこ)で漉いていきます。とても難しく、和紙漉き道具の表面に同じ厚みで重ねていかないと和紙にむらができることになります。

 繊細な手さばきと同時に大胆さも要求されますので、受講生も大変で、周囲の声に惑わされながら何回も挑戦していました。でも、小学2年生のH君は、淡々とした手さばきで1回で綺麗に漉くことができました。「子どもの純真さには叶わないね」と言う方も...。白い和紙と、スギの皮を混ぜたものと2種類の紙漉をしました。

 お昼は、近くにある旧立岩小学校の、「森のアートハウス写真展」を観覧しました。3年前に閉校になった学校の有効活用のための諸塚の自然を写真に納めた企画写真展です。昼食をつくっていただいた「どんぐりハウス」のおばちゃんたちの案内です。 

 帰りに手漉き和紙工房に寄ってみると、和紙が板に張られ外に並べられ乾かされていました。板に貼る作業が一番集中力の必要な作業のようでした。

 今年最後のエコツアーの受講生は18名。久しぶりの方、初めての方、常連の方と大勢でにぎやかでした。皆様良いお年を!来年もよろしくお願いします。

平成20年11月29日(土)〜30日(日)実施  受講生18名

〜受講生のご感想〜
夕食は持ち寄り等あり大変盛大なものになった。紙漉きは寒かったけれど、結構難しく楽しかった。
冬のはじめの、山の様子が楽しかったです。大人数で楽しい忘年会でした。
個性的な?方々があつまりとても充実した忘年会で、エコツアーここに極まりといった感じでした。石臼にはまる5人組、ゆずとりに熱中する(元)子どもたち、合鴨のだし取りにこだわりをみせる職人さん方・・・。とても楽しく濃い2日間でした。

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