「諸塚でやま学校しよう!」
第63回 2006年2月
 まちむら応縁倶楽部のエコツアー 
 平成18年2月生の第63回実習科目は、水源の森づくりと、椎茸の駒打ち、夜神楽鑑賞と手前味噌仕込みと盛りだくさんでした。

 1日目は、広葉樹の植栽、椎茸の駒打ち、夜神楽鑑賞でした。広葉樹の植栽はしいたけの館21から大規模林道を約30分登ったところの、川の口公民館にある「石原バル椎茸団地」の斜面にクヌギの植栽をしました。やま学校の教授は、「森の案内人」の甲斐耕平さんでした。

 1mくらいの広葉樹の苗を、間隔を1m20cm前後取りながら、鍬で穴を掘り植えていきました。空は晴れているとはいえ、寒波の影響で風が吹く寒い中で、しかも硬い赤土を掘るのはなかなかの重労働でした。だんだん汗をかいて、皆さん1枚1枚上着を脱いでいました。一生懸命の作業で、100本の苗をわずか1時間で植え終わりました。うまく成長してくれれば何年後かには、諸塚の山を彩るモザイク模様の一部に加わってくれることでしょう。 

 椎茸の駒打ちは、移動して「池の窪グリーンパーク」のログハウスの裏で行いました。昨年の台風でクヌギやナラの木が倒れたため、それらを玉切って榾木(ほたぎ・椎茸のはえる原木のこと)にしました。耕平さんと、私山本が電動ドリルで穴を開け、皆さんに金槌でとんかんとんかん種駒を打っていただきました。風で木が倒れる場所だけあって、風の通り道になっており、非常に寒い中での駒打ちになりました。おしゃべりも忘れ、約1時間がんばって約50本の榾木に種駒を打ちました。

 終わってから芝生の広場に行き、ログハウスの管理人さんの火宮さんと若本さんが作ってくれた甘酒やお茶で暖まりました。広場の方は嘘のように風が当たらず、生き返ったような心地でした。

 池の窪から宿泊する森の古民家「へいだの里」へ移動し、夕食やお風呂の準備をしました。

 夕食のメインは「猪鍋」。へいだの里の世話人でお隣の増田富子さんに、お昼から猪肉を煮ていただいていて、その鍋にゴボウや大根などの野菜を切って入れました。味付けは参加者のSさんによる「すき焼き風」です。

 増田さん特製の「煮しめ」や漬け物が加わり、耕平さん、登美子さんのご主人増田寿男さんも入っていただいて、夕食の交流会になりました。煮込んでいただいた猪肉がとろける程柔らかくなっており、それに加えSさんの味付けが絶妙で、「こんなうまい猪鍋は初めてだ。」という声が聞かれる程でした。

 
 交流会も盛り上がってきたところでしたが、7時には片付けをはじめ、今回のやま学校のメイン「南川神楽の鑑賞」へとバスに乗り込みました。

 神楽は、南川公民館松原集落で行なわれていて、集落の手前でバスを降り少し歩きましたが、漆黒の闇の中に家の明かりが見えて、太鼓と笛の音が聞こえてくると胸が高鳴ってきます。

 来客者へのもてなしが行われる神楽宿にはぎゅうぎゅう詰めで人が集まっていました。そこで地元の方々や、来客者同士の交流が行われます。神楽を鑑賞する人、地元の方との会話に夢中な人それぞれに楽しんでいただけたようでした。

 夜を徹しての神楽ですので、見所が夜中の12時過ぎ、そして2時、3時となるのですが、皆さん12時前には後ろ髪を引かれながらバスでへいだの里に帰りました。宿に帰り着いてからも興奮冷めやらずで、遅くまで話が弾んでいました。

 2日目は皆さんやや遅めの7時に起床でしたが、しかし”料理長”Sさんは、誰よりも早く起きて、朝食の準備。感謝感謝!

 朝食後は、味噌仕込み講座会場の特産品加工グループの「やかた婦人」の山菜加工場へ移動しました。先生は日向農協諸塚支店の中嶋仁美さんとやかた婦人の尾形臣子さん、小松さん、尾形友江さんでした。材料の大豆は昨年7月のやま学校で飯干地区に植えて収穫したもの、麦麹の麦はやましぎの杜の甲斐光さんに作っていただいたもので、全て地どれの最高級品です。麹の仕込みは、事前に七ツ山婦人加工グループにしていただきました。

 大きな圧力釜で蒸した大豆を冷まして、ミンチにして、麹と混ぜました。今回、麹と大豆の比率はほぼ1対1にしました。混ぜ合わせたものを、持ち帰りように、約1sずつ入る小さな樽に1人1つ詰めました。3ヶ月後くらいから食べられるようになるそうです。
作業の後、やかた婦人の皆さんがお茶とお団子を用意してくれており、ごちそうになりました。甘さが控えめで美味しいだんごに、二つ目に手が出る人も多かったようです。草だんごが好きな5歳のH君は3個も食べていました。他にも特産品の試食をさせて頂きましたが、椎茸かりんとうの「なばりんこ」は皆さん感心して美味しいといっていました。買い物もして加工場を後にしました。

 時間に余裕があったので、諸塚村民俗資料館に寄りました。入るなり、ご夫婦で参加のYさんのご主人が、石器などの非常に詳しい解説を始め、皆さん少しびっくりしたようでした。客員教授として呼ばなくていいものかと思う程、その他の資料についても詳しく、やま学校の教授として是非これからもお願いしたいところです。

 昼食はへいだの里に戻り、油味噌や煮しめを頂きました。油味噌の具はシイタケ、人参、豚肉等でしたが全てみじん切りにして(県央、県南風?)炒めました。諸塚で言う油味噌とは違う料理のようでしたが、とっても美味でした。

 今回は、1日目は寒い中でしっかりやって、2日目はゆったりという感じのやま学校でした。たくさんの村の方に協力していただきました。ありがとうございました。今度お会いするのは来年度ですが、盛りだくさんの内容のやま学校を続けていきますので、これからも皆さんの受講をお待ちしております。

平成18年2月4日(土)〜2月5日(日)実施 受講生12名

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諸塚村企画課 しいたけの館21
TEL 0982-65-0178