「諸塚でやま学校しよう!」
第54回 2004年11月
 まちむら応縁倶楽部のエコツアー 
 平成16年11月生の第54回実習科目は、小麦の種まきと10割蕎麦打ち、そして藁細工講座でした。毎年、受講生が増える、平成16年最後の「忘年会やま学校」ですが、今回はちょっと少なめ11名でした。

1日目:予定では、その畑で育ったソバの実を脱穀するはずでしたが、ソバの種を蒔いた直後に台風の襲撃を受けたため、今年はどの地区でもソバはほぼ全滅でした。その代わりというわけで、小麦の種まきを行いました。種は去年のやま学校で蒔いて収穫したものです。

 やましぎの杜へ着くと、それぞれに身支度をして、裏の体験用畑へ移動しました。世話人の甲斐光さんに指導していただき、鍬を使っての畝づくりを習ってから、肥料と種の蒔き加減などを教わり、小型の耕耘機を使っての畝づくりにも挑戦しました。機械でやれば楽だろうと考えたら大間違いで。特に今回使ったものは1輪式でまっすぐ走らせるのがけっこう難しく、力もそれなりにいるのです。

 しかし今回やま学校初受講の馬場さんは耕耘機経験者とあって、最初の機械操作さえ習えば、あとはお手のものといった感じでずんずん耕していき、他の参加者にも操作のこつなどを伝授していました。

 耕耘機の助けもあって1時間半ほどで麦の種まきを終わり、したしぎに集合して休憩した後、五右衛門風呂や、釜戸でご飯を炊く段取りをしてから、お待ちかねの10割そば打ち講座です。山芋などのつなぎを使ったそば打ちなら経験した受講生もいましたが、つなぎなしのそば打ちは皆さん初体験ということでした。

 一人あたり180グラムのそば粉と、ほぼ同量の水を適度な堅さになるまでこねて団子状にしたものを、打ち粉を打った台の上で、麺棒で薄くのばして折りたたんだ生地を細く切れば麺のできあがりです。後はそれを沸騰したお湯でにて、麺が上に浮かべばゆであがり。今回はイノシシの骨を猟師の方にいただいていたので、つゆのだしを昆布とその骨からとることにしました。(ぜいたく!)骨には少しずつ肉が付いていて、だしをとった後にそれを皆さんに食べてもらいましたが。そばをゆでた後のそば湯に少し塩を入れて飲みながら食べる、その骨の美味さに病みつきになっているようでした。

 忘年会用に奮発した猪鍋の用意も調え、甲斐光さんが用意してくれた竹ぼっぽに焼酎を入れ、準備万端で交流会・忘年会に突入!というところでしたが、ゲストの観光協会長さんなどを待ってからということで、皆さんごちそうを目の前にして待ち時間が長く感じたことでしょう。

 全員そろって乾杯してからは、作った料理に舌鼓を打ちながら大盛り上がりの忘年会になりました。

2日目:わら細工講座ということで、しいたけの館21やどんこ亭に飾られている蛍かごの作者、川内地区の藤本和生さんを先生に、麦わらで蛍かごづくりに挑戦しました。

 藤本さんは6年ほど前に、昔やった蛍かご細工を思い出して、再び作りはじめたそうです。作る前に作品を見せてもらったときは受講生一同ほんとにこれが自分たちに作れるのか、と口にするほど美しく構築されたものに感じました。

 まず材料は、小麦藁の裏(穂先になる方)から最初の節までしか使いません。それを何十本と用意してから、まず最初に藁を十字に組んで糸で結び、その先に別の藁を差して右回り左回りすきな方に藁を折っていって、藁が短くなったら別の藁を差し手継いでいきます。するとあら不思議、なんだか先生の作品と似たような形の物が徐々に出来ていきます。その過程というのはほんとに何もかも忘れて皆さん無言で集中していました。最後には全員の作品が出来ましたが、藁から編み出される自分の小さな芸術に皆さんちょっとした感動を味わったのではないでしょうか。

 頭と指先を使って?お腹をすかせての昼食は、昨晩のイノシシの出汁を生かして、生しいたけをたっぷり入れた雑炊を作りました。イノシシのだしがばっちりきいていて、とても美味しくて、中には2杯3杯とお代わりしている方もいました。

 移動が無く、ゆったりした中での平成16年最後のやま学校でした。今年1年ご参加頂いた皆様ありがとうございました。また来年のやま学校で再会できることを楽しみにしています。 

平成16年11月27日(土)〜11月28日(日) 実施 受講生11名

麦の種まきです
美味しい10割蕎麦ができます!
麦わらの蛍カゴつくりです

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諸塚村企画課 しいたけの館21
TEL 0982-65-0178