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重要生息地の指定

諸塚村の黒岳周辺が宮崎県野生動植物の保護に関する条例
に基づく「重要生息地」の指定を受けました!

 諸塚村の最高峰である黒岳は、山頂付近には村内最大のブナの原生林が見られるほか、九州では極めて稀な福寿草の自生群生地(群生地では日本の南限)があることが知られています。

 その他にも、以下のような貴重な植物の宝庫でもあります。

 モロツカミツバツツジ、チョウセンキンミズヒキ、マンシュウハシドイ、クサタチバナ、ミヤマヤブタバコ、ジャコウソウ、クラマゴケ、キレンゲショウマ、ヒュウガアジサイ、ヤマホウズキ、クロフネサイシン、ヤマシャクヤクほか

 特に「キレンゲショウマ」は、作家宮尾登美子氏の「天涯の花」で紹介されたことで有名な絶滅危惧種のひとつですが、昨年夏に調査したところ、数haの群生地が発見され、群生地としては、日本最大規模ではないかと言われています。

 以前は、貴重な植物は人間による被害を受けることが多かったのですが、近年では、シカの食害が急速に進んでいます。植物学の専門家からは、「黒岳にこれだけの植物が残っているのは奇跡的」とまでいわれています。

 しかし、黒岳でも数年前から外部から鹿が入り始め、前述した貴重な植物が食害を受け始めています。そこで宮崎県の協力で、黒岳周辺を動植物の保護のための重要生息地の指定を受け、保護のための対策を行うことになりました。

◇宮崎県公報 平成22年3月15日 第2166号 

 宮崎県野生動植物の保護に関する条例(平成17年宮崎県条例第84号)第23条第1項の規定により、次のとおり重要生息地を指定する。

             平成22年3月15日  宮崎県知事 東国原 英夫 
1 名称      黒岳重要生息地
2 指定の区域  東臼杵郡諸塚村大字七ツ山の一部
3 指定の区域の保護に関する指針

(1) 野生植物の個体群の生育のために確保すべき環境
個体の生育のためには、その生育環境であるブナ帯において、鹿の食害の抑制、外来種の植物除去を行うとともに、園芸植物の移入(植栽)を行わないようにするなど、当該区域の植生を適切に維持することが必要である。
(2) 生育環境の維持のための管理の方針
当該重要生息地は、これまで、地域住民による草刈り等の保護活動が行われてきたところである。今後も.で掲げた生育の環境を確保するため、こうした保護活動について、植物の生育に支障を及ぼさない適切な時期に、適切な方法で継続するとともに、鹿の防護柵を設置することにより植生の保護に努める。

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